前の記事では、曇りの天気予報など気にせずに赤井川村の雲海を観に行ってみた。
結果、午前3時半のカルデラ展望所は霧で周りが全く見えない状況で、当然雲海も空振りになったものの、その後は赤井川村を覆う綺麗な霧の風景を見て楽しんでいた。
目的が叶わなかった時に、自分がチャレンジした結果を次への経験や統計として再度挑むという考え方があるけれど、ぼくにはそれとはまた違う考え方があってもいいと思っている。
それは、なんどもゆっくりと深呼吸をして、ぼーっとしながらもゆっくりと次のアイデアを待ち、何か違う目的がないかなと考えてみること。
きっと世界は広くて美しい。
この日、ぼくは赤井川村のカルデラ展望台から見える薄闇の霧をぼーっと眺めていた。
鳥の声を聞いたり、セルフで自分を撮ってみたり、謎の小動物と出会ったりもした。
そして、その霧で覆われた村の中に入ってみたらどんな感じだろうと思いついて向かってみると、そこにはとても綺麗な赤井川村の朝霧の風景が待っていた。
田畑やバス停のある道や、まち全体が白く透明な霧で覆われて幻想的だった。
カメラの設定や編集アプリで色温度を少し下げることで、涼しげな夏の朝の風景写真にもなったし、そのどれもが美しい一瞬のつながりになっていた。
たまたま雲海が見られなかったという事実だけで、それだけが自然の美しさではないし、このカルデラ地形の赤井川村のまちの中に美しい世界の一端があったと感じた。
そんなふうにしているうちに、朝霧の村の中でふと思った。
カルデラ地形の南東に位置する銀山のまちを見下ろす銀山駅からはどんな風景が見えるのだろうかと。
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標高158mの銀山駅へ

三日月湖のように。
ぼくは銀山農協のバス停のところから山側へ曲り、銀山郵便局の前を過ぎて山道を登って駅へ向かった、途中で学校が見える向こうに霧に覆われた山が少しだけ顔を出しているのを見た。
綺麗だなと思う。
銀山のまちは、赤井川村のカルデラ地形の中にこそ無いのだけれど、その南東あたりに位置するこの辺りも三日月湖のような形の谷になっていて、周りが山々で囲まれているのだ。
上のリンクは2017年に書いた夜になっていく銀山駅からの景色を撮った記事なのですが、このときも「銀山の街並みが見えます」と書いていました。
もし手元にパソコンやスマホがあって少しだけ時間があったら、GoogleMapを地形モードにして銀山のまちを見てほしい。
なんとなくぼくが言っている「三日月湖のような形の谷」ってことがわかってもらえると嬉しいのだけど。
午前5時半、銀山駅に着く

白い手すりのある階段
そうしているうちに、銀山駅前へたどり着いた。
ぼくは駅前にあるこの階段が好きだ。
周りには草花が生えていて、それらは朝露に濡れていてキラキラしている。
その階段をゆっくりと一歩ずつ登っていくと、まるで山小屋のような可愛い駅舎が待っている。

朝陽を浴びている駅舎
草花の階段から見える銀山駅の駅舎は、朝陽に照らされている。
そしてその駅舎の向こうからはゴーゴーというディーゼルの音が聞こえる。
始発電車が着いているのだろうか。
そう思いながら駅前の階段を登りきって振り返ると、赤井川村の冷水峠で見たかった光景が広がっていた。
そう、雲海だ。
雲海が見える!!

標高158mから見える雲海。
三日月湖のような地形の銀山のまちを覆う雲海が目の前に広がっていた。
とても、、とても綺麗だ。
実はここへ来てみようと思ったときから、「もしかしたらだけれど、雲海みたいなのも見えるかな」なんて思っていたが、これほど綺麗に見えるなんて思ってもいなかった。
やはり世界は美しい景色で溢れていると思う。
標高158mから見える雲海を、大事に大事に写真に収めました。

時刻は午前5時半を過ぎて太陽もだいぶ昇ってきた。
その熱で雲海は徐々に散り散りになって、山を沿って昇り上空へ消えていくのも見える。
ぼくはちょうどぎりぎり綺麗に見える雲海を観られたのかもしれない。

始発の電車が動き出した。
ゴーゴーというディーゼルの音がだんだんと遠くなっていく。
小さく手を振って見送る。
この音はまだ何年か聴けるはずだから、それまでに何度か来ておきたい。
そんな銀山駅の場所の地図を貼っておきます。
–
この日、赤井川村の冷水峠にあるカルデラ展望所からは雲海をみることが出来なかったけれど、霧の赤井川村の風景を楽しみ、そして気になって訪れた銀山駅からは偶然にも雲海をみることが出来ました。
最初の目的が何だったか忘れてしまうほど楽しかったし、それでいいと思った。
あまりに早起きしたせいで、家に帰ったあと3時間も昼寝(朝寝?)してしまいました。笑
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。