夏の記憶と、銭函海岸で見る潮まつりの花火

潮祭りの花火を銭函から

いまから7,8年くらい前のことでしょうか。

銭函海岸から潮まつりの花火が見えるのを教えてくれたのは、地元のおじいさんでした。

そもそもぼくは花火というのは「近くで見てなんぼ」だと思っていました。

でもその日見たのは、真下からでも真上からでもなく、遠く海岸線沿いに見えるものでした。

小さな花火。

きらびやかな色と一瞬明るくなる空は、きらきらを海の表面に映す。

そして何十秒も遅れてから、「どーん」と迫力のある音がやってくる。

遠く、小さな花火も、その輝きが記憶に残り続けるのだと、おじいさんから教えていただきました。

これは、ぼくの夢の断片のような記事です。よかったらご覧ください。

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凪いだ海に映る、夏の灯り。

暑い日の夕凪

その日ぼくは自転車で銭函の海を見に来ていた。

ちょうど今日みたいに暑い日だったので、夕方の風が少し涼しくなってから帰ろうと思い、海岸でぼんやりとしていました。

音は遅れて聞こえてくる。

「なあ、花火見に来たのか」

そう聞こえて振り向くと、おじいさんが側に居ました。

さっきまで誰も居なかったのにいつから居たんだろうと思いながら、何の話ですかと答えると。

「知らんのか」

ええ?何をです?

「だからなー、こっから花火が見えるんだっての。潮まつりのよ!」

「近くから見るのもいいけどなあ、海岸線のところに小さく見えるのもなかなかなもんだー、おまえも見て帰ればいいべ?」

へえ、そうですか、、。

そんな会話をした後、おじいさんは「また後で来るわ!ほんじゃあな」と言い、どこかへ居なくなっていました。

そうか。ここから潮まつりの花火が見えるんだ。

その日、あとからおじいさんが戻って来て一緒に花火を見たような気もするし、結局おじいさんは来なくてぼく一人で見たような気もします。

いずれにしても、あの日みた海岸線沿い近くの小さな花火は、小さいけれど確かに綺麗でした。

「オツなもんだ。」なんてのはこういう時にある言葉かもしれないなあ。なんて思うほど美しい時間でした。

もういちど見たくなった

あの日、海岸で花火を見た事を、最近ふと思い出して。

そういえば今年の潮まつりの花火は今度の日曜だったけ。仕事帰りに間に合ったら行ってみようかなと思って、出勤前にカメラをカバンに入れておきました。

仕事帰りにJRに乗り込んで銭函駅に着き、海岸通りを歩いていると「どーん」と花火の音が聞こえて来ます、もう20時半もだいぶ過ぎています。

小走りで急いで海岸に出ると、もうほんとうにぎりぎり、最後の数分くらいだけ花火を見られました。

相変わらずの小さな花火ですが、やっぱりとてもきれいです。

カメラの設定なんて気にしない。

1枚でも良いから撮ろうと思って、おもちゃみたいに小さな三脚にカメラを置いて2,3枚撮っているうちに花火は終わりました。

カバンの中でカメラのダイアルが回ってしまっていたのか、妙な設定で写していることに後から気がつきましたが、でもそれくらいどうってこともなくて、なんとなく写ってくれていたのでそれだけで十分でした。

海岸沿いを走っていく電車の赤いライトが海に映り込んでいて、それがみえなくなるまで見ていました。

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