海が見えてきた。
札幌の近郊でそんなふうに感じる場所はぼくには二つあって、
そこでは何度見ても「海だあ」とか「わあ」とか、声に出してしまうのです。
ひとつは国道5号線を札幌から小樽方向へ向かい、銭函を少し越えた「春香」のあたり。
そしてもうひとつが、ここ石狩市厚田区望来。
231号線を北へと進み、丘の上から望来の街がこんなふうにみえるあたり。
夏場なら海がどんどんと目の前に近づいてくる感じはとても爽快ですし、そのまま231号線オロロンラインを北上していけば楽しいドライブになるでしょうね。
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冬の季節を眺めに来た
そんな場所の冬の様子を眺めに来てみました。
上の写真のあたりからまずは坂を下って、下りきる少し手前で右手に曲がります。
五の沢へと繋がっているその道を進み、途中で右に曲がったりしながら望来から聚富の方へ。
この道はどこへ繋がっているんだろうなあなんて思いながら、綺麗な風景を探しに行きました。
あっというまに夕方へ

この辺りはだあれもいません。
時々車がすれ違うくらいで、しんとしています。
道は標高が上がったり少しさがったり、右にカーブしたり今度は左にカーブしたりしながら続いていて、それをゆっくりと進みます。
気がつくと日が暮れかけていて、影になるところはすでに暗くなっています。
天気は晴れているけど地吹雪がすごいのと、急に曇りだしては普通に吹雪になったり。
一度吹雪いてしまうと、さっきまで晴れていたのがうそのように暗くなってしまいます。
しばらくするとまた晴れて来て、夕暮れの景色が綺麗な場所があったので、この辺りで何枚か撮ってみました。

カシャカシャっと、ぼくのカメラのシャッター音だけが響いていて。
なんて思っていると、またすぐに天候は悪化して「ゴー」という音と共に地吹雪なのか吹雪なのか、もうなんだかわからないのだけれど、とにかく細かい雪が顔に吹き付けてきます。
こんな様子も綺麗だなあって思いながらしばらく撮り続けていたのですが、気がつくとだいぶ日が傾いていたので、今日はこのへんで切り上げることにしました。
「家に帰ったら写真を取り込んで、お風呂に入ってゆっくりしよう、今日は良い日だなあ」と、この時ぼくがそんな風に思ったのは、何かの伏線だったのでしょうか。
それとも暗くなる前に帰るという判断が良かったと思うべきか。その後のぼくに起きたことはといえばこんな事でした。
車が動かない。
車が動かない。
車が動かない。
よく見るとフロントタイヤが空転している。。
完全に埋まってしまった。
さあどうしましょう。
牽引ロープはあるけど車が来る保証なんてないし、とりあえず落ち着いて自力でリカバリーすることを考えよう。
後ろに積んでいたスコップには「ポリカーボネート製、つよい」とか書いてあるけど、もしこの1本のスコップが折れたりしたら大変なので、なんども色々な方向から確認してどうしてスタックしてしまったのか、まずは状況の把握からです。
むやみにポリカスコップで掘ったところで脱出できる保証もないですし、ただ体力を消耗するだけで、それに日没も迫ってます。暗くなるまでがリミットです。
状況はというと
左フロントは完全に埋まっていて、車体の左半分は雪上に乗り上げています。
車体右側は平気な様子なので、左側の車体が乗り上げている雪を除ければ大丈夫そうだとわかりました。
運良く雪の硬さはポリカのスコップで掘れる位だし、かといってどんどん埋まってしまう柔らかさでも無い。そこからはひたすらスコップで雪かきをして、雪かきをして、雪かきをして。
ぼくの体が吹雪の雪で真っ白になった頃にやっとなんとか目処も見えて来ました。雪をほろい車に乗りこんで、ギアをバックに入れて、落ち着いてアクセルを踏みます。
キュルキュルと空転しているような感じもあるけど、さっきと違って車体が少し動きます。
さあ、あともう少し。
アクセルを車体の揺れのリズムに合わせて強弱させると、ぐいっと車が大きく揺れてなんとか脱出できました。
よかった。
折りたたみのスチールスコップを買って車に積んでおこうと強く思いながら家へ帰りました。
夏にここを通ったら今日の事思い出すかな。