豊ヶ岡駅という秘境駅、薄明かりの時間と木造の駅舎

近頃、JR北海道の廃線や廃駅の話題をニュースで見聞きすることが多くなりました。

この話題を聞く度に、何ともいえない寂しい気持ちになるのですが、そうやって先のことで勝手に寂しくなったり昔のことを思ったりするくらいなら、今を見てくれば良いんじゃないだろうか。そう自分なりに思ったわけです。

だって、

今は駅として現存するのですから。

今を見ておきたい。

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今、札沼線のこの駅があることを見に来ました

思い立ったので、さっそく行って来ました。

沢山撮った写真と共に紹介していきます。

豊ヶ岡陸橋から線路とホーム全景

まずは豊ヶ岡陸橋からの全景

ここは絶好の撮影ポイントで、たいていは望遠で撮るのが鉄板だと思います。けれどこの日は夕暮れが綺麗だったので、換算50mmで広めに撮ってみました。

少し見えにくいのですが、ちょうど写真の中央あたりに豊ヶ岡駅のホームがあります。

そう、こんなところに。

豊ヶ岡駅の立地はこんなふうに林に囲まれています。「秘境駅」と呼ばれる理由のひとつにはこういったロケーションもあると思います。

駅を取り囲む周りの環境からして、とても雰囲気がありますね。

夕方のホームは薄明かり

灯りも付き始めます

11月の北海道は気温も低く、15時をすぎるとどんどん暗くなっていきます。

それと入れ替わるように見えるホームの灯り。

ちょうどその中間、薄明かりの時間帯でした。

まるで山小屋のような駅舎

これを見るためと言っても過言じゃない

今回の豊ヶ岡駅訪問で、ぼくにはどうしても見ておきたい場所がありました。

それがこの駅舎というか待合室。

写真でこの駅舎を観た時、「ここは是非行って見てみたい!」と強く惹かれたのです。

実際に自分の目で見られると思うと、とってもわくわくです!!

おじゃましますー

あかりが最高に暖かい。

駅舎の中は暖かな灯りで包まれています。

何とも言いようのない雰囲気で、まるでここだけ物語の世界みたい。

ぼくが薄明かりの時間を選んだのも、実はこの雰囲気を感じたかったからなのです。

駅舎の中からの風景は

線路の向こう側の景色も見えます

この駅舎の素晴らしいところは、まるで山小屋のような佇まいと、その中から見える外の景色であると思いました。

豊ヶ岡駅は線路を中心にして両側から行き来できるようになっています。どちらから駅を出ても同じ「豊ヶ岡陸橋」辺りに繋がるだけなのですが、道が2つあるってのも、この駅の雰囲気がよく感じられる要因だと思います。

ホームも見えます

薄明かりのホームも見えます

ピントを外の景色に合わせても、こうして手前の窓に合わせても、どちらでも雰囲気があるんですよねー。

夏場だと木々の葉でもう少し鬱蒼としているのかもしれません。

駅舎内はとっても綺麗

綺麗に管理されています

掃除道具がありとても綺麗、それにテーブルと椅子もあって、居心地はとっても良いです。

木造ならではの独特の匂いも、なんとも言えない懐かしさを覚えます。

年代を感じる温度計

いつ頃のものでしょうか

このスポーツ社が現存するのかさえ、ぼくにはわかりませんが、この建物の雰囲気を作っている要素のひとつには間違いありません。

そしてこの温度計は、猛暑の日や猛吹雪の寒い日にも利用されるこの駅舎ではとても必要だと感じます。

豊ヶ岡陸橋

実は夏に一度来たことがあるのですが

その時この辺りにはたくさんスズメバチがいたのです。この場所を静かに離れるのが精一杯で、写真を撮る余裕なんてありませんでした。

2度目の今回は蜂の季節も過ぎた頃で、ゆっくりと写真を撮ることができました。

駅の近くにある沼のような池のような

太陽が沈んでいくのを見ていました

日毎に日没時間が早くなる季節では、夜遅くでなくても綺麗な夕日を見ることができました。

月ケ岡駅の周辺には池というか沼というか、とにかく水の溜まった場所が点在していて、そこへ映り込む夕方の曇り空などというのはとても綺麗で、この場所へ来た人への贅沢なお土産みたいだなあ。なんて思いました。

駅を降りてもコンビニはもちろん商店もありません、遠くにある建物を見つけるのがやっと。そんな孤高のロケーションです。

じゃあね、また

北海道はもうすぐ冬です。

雪景色になればこの駅の雰囲気もまた一段と高まるのかもしれません。冬にも来てみたいものです。

時代とともに何かが出来たり、あるいは無くなったりすることは、ぼく個人の力でどうこうできるものではないけれど、もし今そこにあるのなら見に行くことならできるんだという、とても普通なことを改めて思える良い機会になりました。

こんな素敵な駅が今あることへ、ただただ感謝ですねー。

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