正確にいえば、豊ヶ岡駅が「あった」場所が今どうなっているのか。
札沼線(学園都市線)は2020年5月に「北海道医療大学駅」から「新十津川駅」間が廃止となって、その間にあるこの「豊ヶ岡駅」は廃駅となった。
ここは橋の上から線路が見えることや、周辺に広がるのどかな風景、それに木造の待合室が設置されているなど、ほかにも様々な魅力があってこの駅が好きだった人は多いと思う。
ぼくもその一人で、以前この駅のことをブログで記事にしていた。
薄明かりの時間と待合所の雰囲気がとても良かった事は今でもはっきり覚えている。
廃駅となって約2年経ったいま、あの駅はいまどうなっているのだろう。
そう思って確かめに行ってみることにした。
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豊ヶ岡陸橋から4月の残雪と鉄路

訪れたのは2022年の4月の末ころ、豊ヶ岡陸橋からフェンス越しに線路を見た。
線路はしっかりと残っていて、そして4月の残雪がまだあった。
こうして見ると線路上より、その両端に残雪が多い。
もちろん木々の影になった影響もあるとは思うが、熱を帯びた鉄路が線路を中心に雪を溶かしていったのではないかと思う。
もう列車がここを走ることはないが、鉄路は今もしっかりとここに在ることが確かめられて嬉しくなった。
駅周辺の変わらない風景

もともとこの辺りはのどかな風景が広がっていて、むしろ「こんなところに駅があるのか」と思う人の方が多いかもしれない。
それもあってか廃駅となった今も駅周辺の様子は変わりようも無い。
豊ヶ岡陸橋の向こうに見える春の山々もとてもきれいだ。
同じ様なアングルにはなるけれど、何枚か他にも写真を撮ったので載せていきます。
よかったらご覧ください。




列車こそ走ってはいないが、線路がこうして残っているので、いまにも向こうから列車が来るのではないかとさえ思えてしまう。
どうやら木造の待合室は無くなったようだが、こうして線路が残っているだけでも何だか嬉しいのだ。
またこちらの方へ来ることがあった時は立ち寄ってみようと思う。
ただ、まだ列車が走っていた頃のある夏に、おおきな蜂がブンブン飛んでいて、肝を冷やした思い出がある。
そういうのはなかなか忘れられないので覚えている。
だから、蜂がいないような季節にこちらに来ることがあったら、また来てみたいと思っています。
追憶の鉄路
先日「追憶の鉄路」という書籍を書店で購入した、北海道の廃止されたローカル線の写真集だ。
これがとても良い写真集で、北海道の産業や暮らしとともに歩んだ鉄路の写真が掲載されていて、駅周辺の街並みや風景や人なども写っており、当時の人々の営みを感じるし、想像を膨らませずにはいられなくなる。
この写真集に掲載されている駅の跡を探しに出かけたいなんて思うのは、きっとぼくだけでは無いと思う。
そして、なによりこの本に載っている写真はどれも美しく、全て大切に撮られていることもよくわかるのだ。
読んだあとの本は寄贈したり買取してもらうなどして手放すことが多いのですが、この本はぼくの本棚にずっとあり続けるのだろうなと思う。
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ここへぼくが今回訪れたのは2022年4月下旬でした。
誰かに見てきてほしいとお願いされた訳でもなく、ただぼくが気になって見に行っただけの話ですが、この記事が誰かの何かの役にたてば嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。