この校舎を見学できると知ったのは、10月も中旬のこと
今年2021年10月末までの期間でこの円形校舎は内部を見学できるようになっていました。
詳しく調べると見学の申し込みには一週間前までの予約が必要で、急いで予約を取って何とか旧石狩小学校の円形校舎の見学ができました。
以前から校舎の中へ入ってみたかった
この校舎の外観は魅力的な円形になっていて、その内部がどうなっているのだろうというのは、長年とても興味があった。
そもそも木造校舎だとか廃校だとか、そしてそれらが現在も活用されている場所に興味があるぼくは、これまで「旧湯の里小学校」(湯の里デスク)・「旧東裏小学校」(旅する木)・「旧幌内中学校」(ミカサ・モダンアートミュージアム)・「旧美唄市立栄小学校」(アルテピアッツァ美唄)・「旧幌似小学校」(かかし古里館)などへ訪問してきました。
どの校舎のことも今も良い思い出になっていて、いくつかはブログ記事にも書いていた。
ですが、いまだに円形校舎の中には入ったことが無く、石狩灯台や番屋の湯の温泉へ行く際に視界に入るこの円形校舎を見るたびに「いつか中に入ってみたいなあ」と思っていました。
とはいえ、この旧石狩小学校が廃校になったのは2020年のことで、去年までは現役の小学校だったわけです。
廃校になったことはとても残念ですが、一般見学ができることに感謝します
そもそも現役の小学校の中に入るというのもなかなか難しい話で、それが今回のように旧石狩小学校となり廃校になったことには残念な思いもあるのですが、この日は円形校舎の中を見学できることを楽しみにお約束の時間に円形校舎へ向かいました。
一般見学として開放していただけたことを本当に感謝します。
写真撮影やブログへの掲載も「問題ないですよ、沢山宣伝してくださいね」とおっしゃって頂けたので、写真も沢山撮影してきました。
ぼくが実際に見て感じたことを、写真とともに書いていきます
この記事ではぼくの目線で撮った写真と、主に明かりが綺麗であったことを中心に書いておくことにしたので、よろしければ最後までご覧ください。
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校内の明かりはやさしく届く

明かりが柔らかいエコーのように届いていく
真ん中の丸いエントランス、螺旋状の階段、放射状の廊下、ショートケーキ型の教室。
それらに届く窓からや照明からの明かりは、どれを取ってもやさしくて独特な届き方でした。
音で例えるとするなら、お風呂で口ずさんでしまう鼻歌の心地よいエコーのような柔らかさとでも言えば良いでしょうか。
上の写真は玄関から入った正面にある、円形校舎中心の丸いエントランスのような場所。
現役の小学校だったころは、ロータリー交差点に車が出入りするみたいにして生徒たちが通り過ぎたり、会話をしたり、挨拶をしたりしていたかもしれませんね。
螺旋状の階段に届くあかり

とても美しい螺旋状の階段
幾重にも重なる螺旋階段とはまた違いますが、円形校舎の形に合わせて螺旋状に配置されたこの階段もとても美しいのです。
滑り止めの赤、壁の白、そして壁の下の方というかちょうど小学生の背丈くらいまでの水色、この配色もまた綺麗だな。
とくに赤色がアクセントになって、そのコントラストが「階段は気をつけて登り降りしてね」というメッセージにも受け取れてしまうのは深読みし過ぎでしょうか。
でもせっかく見学できたのだから、こうしていっぱい想像したいのです。
階段の明かりは壁に沿って、やわらかく弧を描いて届いているのがわかります。
放射状の照明や廊下

ここは2階の中心部
天井の照明は放射状に配置され、廊下もおなじように放射状になっています。
ここから各クラスへ入ったり出たりして、みんながここを通るようになっていて、大抵の生徒同士がここで自然と顔を合わせるように出来ているのでしょう。
そういったコミュニケーションの点で考えてみても、円形校舎はなかなか魅力的です。
そして明かりもまた放射状にこの中心部に集まっているのがわかります。
ショートケーキ型の教室

円形校舎がホールケーキだとしたら、教室はそれを取り分けたショートケーキみたい
誕生日でもクリスマスでも何でもいい。
ホールケーキを買って取り分けた時のことを思い出してみてほしいのです。(甘いのが苦手な人はピザでも良いですよ)
切り分ける前はまるい円形で、それを人数分の何等分かに切り分ければショートケーキの形になりますよね。
それと同じように、教室はショートケーキ型、もしくは切り分けたピザのような形になっています。
教室に入る明かりは角度も独特でやわらかい
ショートケーキ型の教室では黒板に向かうと後ろ側に窓があって、そこから暖かで柔らかい日差しが入ってくる。
それによって背中はきっとぽかぽかと暖かく、黒板や教科書もよく見えそうで、授業にも落ち着いて集中できそうだなと想像がつきます。
その教室の感じを何枚か撮影しましたので続けて紹介します、光の感じも気にしながら見ていただけたら嬉しいです。





教室に差し込むあかりは何だかいい雰囲気。
休み時間には教室後ろ側に行って窓からの明かりで本を読んだり、あかりに誘われてグラウンドで遊んだり、そんな風に生徒たちは過ごしていたのでしょうか。
この円形校舎をあちこち観てまわっていると、ここで長い間紡がれてきた学びの時間について、想像がどんどんふくらんでいきます。
海の匂いがするかな

10月のおわり、木の葉も落ちています
それぞれの窓からは少しずつ角度の違う傾いた日が入ります。円形校舎ですから教室によって日の光の入り方が違いますし、同じ教室の窓でも少しずつ違います。
そんな窓からのあかりが暖かく感じるのは、この日ぼくがヒートテックを着込んできただけでは無いような気がしています。
そしてこのすぐそばには海があります、窓を開けたら汐の匂いもするのかな、なんかいいな。

円形校舎と多角形
円形校舎の外観は丸くてまさに円なのですが、教室の窓は普通の平面の窓で、それらが多角形状に組まれて円形を作り出しています。
勉強道具などが収められている部屋で見つけた「幾何形 立体像」という箱も気になって撮ってしまいました。
写真はこれでおしまいです、たくさんご覧いただきありがとうございました。
終わりに。
旧石狩小学校の見学は世の中の状況でしばらく中断していたようで、それがいろいろな制限が解けて再開されたタイミングで、たまたまぼくも見学ができたものでした。
これからもいろいろと気にしないといけないことはたくさんあって、そういったことが続いていくのか、ときどき起きるのか、落ち着いてくれるのかはわかりません。
けれど、外に出られるのはやはり嬉しいことで、こうして施設の見学が出来るようになったことも、改めてとてもありがたく感じます。
そしてこのブログ記事を書いている最中、外出があまり出来なかった頃に買って読んでいた今日マチ子さんの本のことをふと思い出しました。いまでもちょくちょく本棚から出しては繰り返し読んでいる好きな一冊です。
今回こうして円形校舎を見学できた嬉しい時間があったように、この一年ちょっとの間、みんないろいろな思いや、その中での暮らしや、好きな場所や時間や人があったのです。
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円形小学校のある場所
旧石狩小学校の場所はこの辺りになります、わかりやすい様に地図も貼っておきますね。
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今回の見学でご担当の方へ来年も公開されるのですか?と伺ったところ検討中ということでしたので、もし来年も公開された際には世の中の状況次第ということもありますが、ご興味のある方はお調べして見学されてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
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*2022年6月追記
2022年の6月11・12日に、石狩 灯台ハマナスDAYというイベントがあり、そこで旧石狩小学校の円形校舎が一般公開されるそうです。
上の記事にハマナスDAYのことや公式サイトへのリンクも貼ってありますので、よかったらご覧ください。