午後の明かり。
2月中旬の晴れた夕方、苫小牧のふるさと海岸を訪れた。
ここ最近、お休みの日が天気だった記憶があまりなく、通勤中に晴れた空を見ては「写真撮りに行きたいな」なんて思う日々でしたが、この日は午後からお休みで、帰りの空がとても綺麗なことに気がついた。
いま行けば夕日に間に合う
居ても立っても居られず、最近手に入れたHelios 44-2のオールドレンズをカメラに付けて高速道路で太平洋を目指すことにした。
家を出たのは午後2時を過ぎていたけれど、苫小牧に着くのが4時頃だとすれば、日が暮れる時間を撮るには間に合うだろう。
ぼくの住む地域ではここ数日気温が高かったので、きっと海岸沿いの風は体感温度をこれでもかと下げてくると思う。
でも、吹雪で車で立ち往生した時のためにと車に積んでいたウルトラライトダウンとフリースをコートの内側に着込み、手袋は二重にすれば、きっと寒さにも耐えられるはず。
そうして夕方の海岸を何枚か撮影してきました。
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ふるさと海岸の夕方

水平線と優しい空の色
去年も記事にして書いていたこの「ふるさと海岸」は、ぼくがこの街に来ると必ず立ち寄る場所です。
綺麗に整備された海岸沿いは綺麗に弧を描いていて、その弧の向こう側に夕日が落ちるのが綺麗で、本当に良い場所だと思う。
日本海とは少し違う、優しい海と空の色を隔てるように、太平洋の地平線が見えています。
遠い記憶みたいに

新千歳からの飛行機
時折、上空を飛行機が通過する。おそらく新千歳空港を離陸した航空機のルートになっているのだろう。
よく晴れたブルーに白い機体がよく映える。
どこの街へ行くのだろうと思いながらシャッターを切る。
Heliosのレンズとぼくの使っているSony α6500を接続するレンズアダプタの構造のためか、無限遠が出ない。
でもその無限遠が出ず、遠くのものが少しぼやけて見える感じがまたすごく良いのだ。
そしてレンズが写す空の色も最高にいい。
うまく言えないけれど、遠い記憶の1ページみたいな写りになる感じが好きだ。
冬と春のあいだ

まだ春とは言えないけれど
二十四節気でなら、立春は過ぎているから春といえば春だ。
でも北海道の2月中旬はまだ冬まっただ中なのです。
それでも気候的にこの街の冬の積雪がそもそも少ないことや、海岸沿いに吹き付ける風があることで、この時期でも地面が見えている場所もある。
ここにいると、冬と春の間にいるみたいだと思う。
沈む夕日と、逆光のゴースト

Heliosの魅力のひとつ
もうすぐ山に陽が落ちそうな時間になり、逆光でシャッターを切ると綺麗なゴーストが出た。
半円の三日月みたいなのが二重になっているのがそれです。
オールドレンズは全般的にこのゴーストや全体が白っぽくなるフレアが出やすいのだけれど、Helios44-2は中でも逆光にめっぽう弱く、すぐにフレアやゴーストが出る。
でもそれは性能面で弱いだけで、写真を撮るという面で見れば、かえってこれが大きな魅力なのです。
海辺に映る夕方

波しぶきに反射する時間
波打ち際まで出てみた。
ふるさと海岸にしては波が高くて、その波が運んだ海風でひときわ寒さを感じる。
けれど、レンズ越しに見ると、波しぶきに太陽のあかりが反射してきらきらして、とても綺麗な時間だ。
こうして夕日をフレームに入れずに撮った1枚でも夕方だというのがわかる。
寒さと引き換える、最高の景色

いよいよ陽が沈む
弧を描く海岸と、その向こうの夕日だ。
波が引いたあとの、濡れた砂浜に反射する夕日が綺麗。
やっぱりこの海岸好きだなと思うのです。
寒さと引き換えにして見ることのできた美しい時間。
帰る時刻と空の色

この街の煙突と夕方
まだ陽が短い冬と春の間の頃とはいえ、空がこんな色になる時間まで苫小牧にいるということは、うかうかしていると家に着くのが大分遅くなってしまう。
かろうじて煙突に夕方の灯りが照らしているうちに引き上げよう。
マジックアワーもその後の夜の景色も、ずっと観ていたいけれど。
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今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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