本州の暖かい地域ではそろそろ桜が開花するそうです。
そんな三月のおわり頃、ぼくの住む街のあたりではまだ冬は終わりきっていないようで、いちどは溶けて地面や川面が見えていた所にも淡い雪が降っていました。
こうして久しぶりの雪を見ていると、季節はまっすぐ変わっていくのではなくて、少し戻ったりまた進んだりしながら次の季節になっていくのがよくわかります。
矢臼場札幌線から茨戸川が見える場所。
今日はここから。
ここから見える、目の前に大きく広がる茨戸川の景色がとても好きなのですが、冬は路肩に除雪された雪が高く積まれて、歩道を歩くことも、その向こうの川の様子を見るのもなかなか難しいのです。
けれど、除雪が進んだあとのこの季節ならちゃんと見える。
そんな頃に降った春の雪の日のことです。
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遠くまで続く道

北海道道508号矢臼場札幌線
この道は観音橋の辺りから石狩河口橋の辺りまで続いていて、途中で今回撮った茨戸川の横を通っていきます。
道はずっと遠くまで続き、横には茨戸川の広大な景色が広がっていて、まるでオホーツクの方にでも来たような気分になれる場所です。
真冬ならここからワカサギ釣りの鮮やかな色彩のテントが見えたりしますが、すでに川面の氷も溶けはじめているのでしょう、かろうじて動物の足跡が見えるくらい。
今日はただただ、忘れた頃に降った雪で辺りが真っ白になっています。
氷点下の朝、コートとマフラーと手袋と冬の装いで、その白の景色を歩いて撮ります。

除雪や雪解けも進み、冬は雪山に埋もれていたガードレールが顔を出しています。
今は所々が赤茶色に錆び付いたガードレールの色しか見えないけど、もう少しすれば新芽が見えて来て、春の訪れを感じるはず。
そして何週間か先にはここから少し先にある「マクンベツ湿原」で水芭蕉も顔を出して、それはいよいよ春が来たなという気分にさせてくれるのだ。
そこからは一気に辺りが芽吹き、色づき、新緑でいっぱいになっていく。
そんな始まりの少し前の季節に今はいます。
だから、そんな頃にもう一度雪が降って真っ白になってくれるのは、アンコールにこたえてくれているみたいでなんだかちょっと嬉しい。
札幌の近くにある広い景色

真っ白になる時間
細かい春の雪はずっと降っていて、雪解けの霞んだ雰囲気と合わさり、淡い白の時間が続きます。
きっとあと一時間もすれば気温も上がり雪は雨になるか止むかして、この淡い白はあっという間に見えなくなるでしょうから、誰もいない場所でぼくの靴音だけ、それも雪にかき消されつつ、この時間を楽しみます。
札幌からすぐ近くなのにこんなに広くて静かな景色が見られるのは本当に嬉しい。


茨戸川の観音橋の辺りまで移動しました。
ここから見えるの春の雪もいいな。
さて今日も始まります。
今回は重力みたいに季節が加速する前にみた、春の雪のおはなしでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。