朝起きた時は寒かった。
ストーブを付けて、また布団に入った。
でもやっぱり写真を撮りに出かけたくて、せっかく休みの日なのだしと思って布団から出て、カメラとレコーダーをカバンに入れて外へ出てみた。
家を出てみると外は嘘みたいに暖かくて、先日の嵐のような風雪で積もった雪が道路の上でぐしゃぐしゃになってて、路地から出られなくなっている車も何台か見た。
急に春がやってきたみたいな感じで、朝にストーブを付けていたのはなんだったんだろうって。
それくらい暖かかった。
でもまだ天候は安定しないようで、曇り空になるとやっぱりすごく寒い風が吹いて来る。
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雪が溶けていく季節
アスファルトが見えているところは水にインクが垂れたみたいに、一気に雪解けが進んでいます。
でも歩道なんかは全然雪が溶けていなくて、踏み抜いて足が埋まったのも2度や3度じゃなかった。
靴の中にどんどん雪が入って来てしまう。
まあでも休みの日だから良いか。
雪の景色はまだまだありそう
川のあたりを歩いていたら、遠くに薄茶色の動物が歩いているのが見えた。
多分そこは川の上のはずなんだけど、川面はまだかろうじて氷で覆われていて、あのどうぶつの体重なら自由に川面を歩けるのだなあ。
そう思って目を凝らしてよくみると、キツネくんでした。
気がつかれないように少し近づいてみることにしました。
ぼくのカメラには25mm(35mm換算で50mm)のレンズを付けていたから、有る程度近づけばキツネくんだとわかるシルエットくらいは撮れるかななんて思って。
でもキツネくんの用心深さはぼくの想像をはるかに超えていて、キツネくんがぼくと目があったかと思うと、あっと言うまに気がつかれて走り去っていきました。
風の音の隙間に足を進めて気がつかれないようにしたのになあ。
風の音といえば、レコーダー持って来てたんだった。
キツネくんがいなくなった川辺あたりまで進んでみたけれど、姿はなくて気配も風の音にかき消されていて、どこに行ったのかさえ検討もつきません。
木々の隙間にねぐらがあるのかな、またいつか会えるかな。
そんな風に思いながら、少しだけ川辺で録音してみた。
家に帰って聞いてみると木々が風に吹かれた音なのか、ごうごうという音や遠くカラスの声が入っていた。
自分が居た時にはカラスの声なんか気がつかなかった。
こうして音だけを聞くと、なんだか不思議な感じがしたし、写真を見ながら音を聞くのも時間軸があるものとないものが一緒になっている面白さも感じた。
録音は楽しいかもしれない。
そしてキツネくんはねぐらの隙間から「あいつ何してるんだ」ってぼくのことを見ていたかもなあ。