地図をみると周りには何もなさそう。
夏の終わりに雑誌で知ったこのお店の第一印象でした。
それ以来、
長沼の街外れにある「Shandi Nivas Cafe」というお店が気になっていました。
「何もない所にあるのだから、きっと素敵なお店なのだろう」
そう思うと、
行きたい気持ちはどんどん大きく膨らんでいって、
そんな憧れに近いぼくの気持ちがかなったのは、雪が積もりはじめた12月の頃でした。
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フィラメントが照らす看板が美しい

白熱電球が照らす看板と古いけれど丈夫そうな木の扉。
横には冬季も営業していることが書かれていました。
扉を開けると玄関のような段差がありますが、そのまま入ってしまって良いようです。
12月の季節にストーブが暖かく迎えてくれました

奥の窓側の席に座りました。
テーブルも椅子も、とても手触りがよくて温もりのある木製のものです。
ストーブが暖かいのはもちろんですが、店内の木のぬくもり、白熱電球の明かり、そういったお店の中のいろいろなもので、じわじわとあたたかく優しい気持ちになっていきます。
この日はとても寒い日でしたが、席に座るとなんとも言えない安堵感に包まれました。
地平線が見えるほど広大な場所

この席には大きな窓があって、そこからは吸い込まれるような広大な景色が見えるのです。
来る前に地図で見て思った「何もなさそう」というのはまちがっていませんでした。
どこまでもどこまでも何もありません。
それと同時に、こんな贅沢な場所があるのだなあ、とも思うのです。
窓から見えるのは長沼の広い大地と空、それに最近の寒さで積もった雪景色。
窓の外を見ているだけでとても安心な気持ちになってきます。
そして、ココナッツカレーを注文しました。
必要なものだけがある

僕は食べ物のことも暮らしのことも詳しくはないのですが、
ここには長沼の広大な地でお店を開けるのに必要なものがあって、そうでないものはなさそうな感じがしました。
うまく説明できないのですが、必要なものがある安心感といえば良いでしょうか。
初夏になると僕はよく山に登るのですが、このお店で感じたのは登山前に安心で必要なものだけを選び抜いてザックにパッキングをしている時の気持ちにすこし似ていました。
窓際のテーブルに置かれた水差しの花

呼び鈴

飲みやすそうなコップのお水

スプーンとフォーク

注文したココナッツカレーはとても美味しかったです。
優しい味でお腹も暖かく満たされました。
食後もずっと居続けたいくらい、心もお腹も満たされて安心な時間を過ごしました。
お店を出ると地平線へ沈む美しい夕日が見えました

北海道は12月ともなれば本格的な冬となって日が落ちるのも早くなります。
むしろそうでは無いと、この時間帯にこんな夕日を見ることはできません。
そして、周りに何も無い所だからこそ際立って感じられる「Shandi Nivas Cafe」の優しい空間と時間とおいしいカレー。
ぼくはお店を出てこの夕日をみたとき、「自分の暮らしをもっと大切にしたいなあ。」という気持ちになりました。
タンポポが咲く初夏や水田が実る季節にもまた来てみたいです。
でもその前に来てしまいそうな気がします。