つぎにあの街を歩くときには、またおいしいものを食べたいな。
もともとぼくは食べるものに全然こだわりがなくて、それがどれ位なものかと言えば、旅行に行った先でも地元の食材はおろか朝ごはんはチェーン店の惣菜パンとか、夜はコンビニで調達するとか、寒い日に暖かいものが飲みたいなと思えば自販機のコーンポタージュを飲むとか。
恥ずかしながら、食べるものへのこだわりの無さはそれくらいでした。
知人から「そういやこないだ〇〇町に行ったって言ってたけど、名物のアレは食べた?」と聞かれても、いやあ吉野家で済ませたわーとか。
「せっかく〇〇町に行ったのにもったいないねー」と言われても、そうかな別に全然だよー。
たいていこんなやりとりでした。
でもぼくにとっては本当に全然だよーだったんです。
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写真を撮るようになった頃からかな。

でもそれがいつ頃からだったのかは、はっきりと覚えてはいません。
ただ、いつの頃からか「せっかくここに来たからアレ食べてこうかな」って思うようになっていたんです。
もう本当にいつからだったのか覚えていません。
多分ですが、
食べるものも気になるようになったのは、写真を撮って歩くようになった頃からじゃないかなって思うんです。
この町に日が沈む頃が綺麗だとか、ゆっくりとした流れの大きな川がいいなとか、あの角を曲がったときに見えてくる町の景色が好きだなとか。
そういう風に思いながら写真を撮って歩いているうちに、町のはずれのあのお店に寄って行こうとか、雑誌に載ってたこのお店のある町に行ってみようかなとか。
いつからかそんな風にも思うようになっていて、
街を歩くときには何か食べることも楽しみのひとつになっていました。
それは昔からあるお店だったり、銘菓だったり、お気に入りのものだったりいろいろで、
タイミングも歩き疲れたときに食べたり、あたりが夕日に染まってもう帰らないとって思ったときにもう少しだけと思って立ち寄ったり、家に帰ってから食べようと思って買って帰ったり。
気がついたら街の写真を撮って歩くときには同時に美味しいものも探すようになっていました。
もちろんぼくはまだまだ沢山のおいしい物を知っているわけではないのですが、
これが好き。
ってものはいくつかあります。
あのまちの美味しいもの。

たとえばだけど、
- 岩見沢の天狗まんじゅう本舗の肉まん
- 岩見沢の菊水堂のお好みおやき
- 栗山町の栗山製菓の梅どら
- 月形の溝口菓子舗の月形まんじゅう
- 三笠の長栄堂稲葉菓子店のココナッツロール
- 夕張のうさぎやのシナモンドーナツ
- 平岸の福屋餅菓子舗のキウイ大福
- 東屯田通のサンドリアのフルーツサンド
- 菊水にあるおやきの平中のあんこのおやき
などなど。
どれも本当に美味しくて、ぼくのとても好きなものです。
このリストみたいなものが僕の中でこれからもずっと更新されていくと思うととても楽しみです。
そして、なんだか甘いものが多いのはきっと沢山歩いたら食べたくなるからかな。
またあの街を歩く時も。

街の色とか匂いとか、そこにある時間とか、たくさん感じていたいな。
今年2020年はたくさんの出来ないことがあって、ぼくたちはほんとうに必要なものやことってどれなんだろうと手探りで暮らしていた気がします。
けれど季節の色も、街の匂いも、その街で見かける鳥の声とか、電車や車や人が行き交う音とかも、感じることぜんぶが必要なんだって、本当にあらためて強く感じる一年でした。
どうか来年は良い年でありますようにと心から思うし、ぼくが知っている街の風景やいろいろなことをこれからも書いていって、それでもし読んでくれた誰かが実際に行ってくれたりしたら、本当にとっても嬉しいなと思うのです。