胆振を西へ、曇り空と歩く

登別港線

ここ数年、初夏になるといつも感じていることがある。

「6月はまだ肌寒い日もあるはず」という、今までの体感からの予想とは程遠く、暑い日々があるってこと。

それをトレースするように今年も6月の暑さが始まった。

そんな折に少しまとまったお休みがあったので、僕の住む札幌圏よりも少し涼しい街まで行き、そのまま少しずつ移動して2日くらいかけて写真を撮って風景を楽しんでくることにしました。

今日はそんな日のことを書いていきます。

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深い霧や、曇り模様の二日間。

ふるさと海岸

まずは涼しげな風を求めて苫小牧へ。この街に来る際には大抵訪れている「ふるさと海岸」まで来た。

いつもなら、ここから八戸、仙台、大洗などと行き来するフェリーが遠くに見えたりするのだけれど、今日はこんな感じで深い霧に覆われていて、少し先の向こうは何も見えない。

さらには今回の旅のほとんどがこんな様子で、霧がない時でも曇り空がほとんどだったのです。

札幌から胆振を海岸に沿って西へ

さて、あらためて旅のはじめから説明します。

この日、お昼前にに札幌圏を出発した。途中で千歳の「Ailes」さんというベーカリーでパンを買い、そのあとにこのふるさと海岸の深い霧の海を眺めていた。

セブンイレブンで買ったアイスコーヒーはさっきまでの強い日差しでカップの表面が結露でひどく濡れていたのに、この苫小牧の涼しさではそんなこともなく、氷の溶け方さえ遅いように感じます。

この日の札幌の気温が29度だったのに対して苫小牧では19度ほどしか無かったので、そう感じてもおかしくない涼しさだと思う。

この旅では苫小牧から胆振の地域を海沿いに西へ向かい、洞爺を通ってまた札幌へ戻ることを予定していた。そんな訳で苫小牧の街中では環状線を通って西に向かっていました。

環状線を選んだのは、苫小牧川を渡るあたりの風景が好きな為です。右手には苫小牧川と有珠川が合流するところが見え、左手には団地がひろがっている。この感じたまらなく良いと思うのだけど、なんかわかるなと思ってくれる人がいたら嬉しい。

白老のまちとお風呂セット。

ゆっくりと西へむかっているうちに、白老の街に着いた。

白老では、以前から訪れてみたかった「またたび文庫」さんへ立ち寄り、古書を一冊購入。

その後しばらく白老の街をぶらぶら歩いたり、子育て中と思われるカラスに追いかけられたりしながら、駅前にいくつもある飲食店のひとつに入って早めに夕食を済ませた。KINPEN Cafeというおしゃれなお店。ハンバーグのセットを食べ、とても美味しく居心地も最高によかった。

すこし蛇足ではあるけど、時々こうして遠くの街のお店へ立ち寄るときに思うことがある。定休日だったり臨時休業だったり、はたまた営業時間よりも早めに閉まっていたり。そういうことが度々あって、「せっかくここを目当てに来たのな」と残念に思うことも多かったのだけれど、最近ではこれはこれでご縁だと思うようにして、特に食事をするお店は候補を3つ4つ考えておくようになった。

話を戻して、そのあとは虎杖浜まで移動し、海沿いにあるアヨロ温泉で1日の汗を流した。

備え付けのシャンプーや石鹸はないが、「おふろセット」とぼくが勝手に呼んでいる、タオルや着替えやシャンプーや石鹸を百均で買った容器に詰めたものを持ち歩いているので全く問題がなかったし、とても綺麗な温泉でほんとうに心地がよかった。

テトラポット越しの海。

もうひとつ暗くなる前に訪れておきたい場所があって、それが上の3枚の写真です。

登別駅の海側に「登別港線」という道路があって、その道を登別駅と富浦駅の中間くらいのあたりまで進むと、海沿いに道がまっすぐ続く場所が見えてくる。それが写真の場所です。

登別港線へ行くには、登別駅前の線路と並行してる道を駅から東側へ進み、ちょうど登別マリンパークにクスの裏あたりにある踏切を渡っていくのが近い。

ここからテトラポット越しに海を見るのが好きで、その様子を撮りに来た。空は相変わらず曇り模様だけれど、それでも良い風景だと思う。

この場所を知ったのは、GoogleMapのStreet viewで海沿いの道を探検していた時でした。

雑誌とか地図とかStreet viewにしても「ここへ行ってみたいな、自分の目で見てみたい」と思って実際に行ってみる時はとてもワクワクするし、その結果「やっぱりここ好きだな」と思った時は嬉しくなるものです。

夜と海霧。

見ておきたかった光景。

その後、幌別駅近くにある登別中央ショッピングセンターアーニスに立ち寄って軽食や飲み物を調達した。ここには無人の古書コーナーや図書室まであって、ぼくの家の近くにもこういう場所があったらいいのにななんて思った。アーニスを出ると陽は沈んでいて暗くなり始めていました。

この日は室蘭で泊る予定だったのでもう少し移動。そして室蘭の宿の前に1つ行っておきたい所があり、そこへ向かった。

測量山から夜景(あわよくば工場夜景)を見たかったのだ。

というわけで測量山に到着して眼下に広がっていた光景が上の写真です。ここもご覧の通り霧に覆われ、夜景らしい夜景はほとんど見えない。

一瞬残念だとも思ったけれど、海の街にある山だし霧のシチュエーションは多いはずで、この場所らしさという意味で考えれば、これはこれで印象的で良い光景だと思う。来てよかった。

二日目の朝

朝の海へ

イタンキ浜へ来た。二日目の海も深い霧に覆われていた。

ところで、以前樽前山に登った際、お鉢巡りの途中で急に深い霧に覆われたときにも思ったのだけれど、霧は音を吸収してしまうのか風の音以外はほとんど何も聞こえず、静寂の中に居るような感じがした。

このイタンキ浜の朝もそれに似てとても静かで、西側の海沿いには「イタンキの断崖」が見えるはずだけれど、当然それすらも見えない。

それでもこの涼しげな雰囲気がなんだか良くて、綺麗な砂浜の波打ち際を行ったり来たりしばらく散歩した。それに、6月だというのに朝から暑い札幌圏よりずっと過ごしやすくて良い。

北舟岡の曇り模様

その後イタンキ浜を後にして室蘭市街地へ。そこから白鳥大橋を渡り伊達市の方へ向かった。

伊達市のやや東側には「北舟岡」の街がある。駅のホームのすぐ向こうが海になっている「北舟岡駅」のロケーションが好きな人も多いと思う。その駅が窓から見える「北舟岡珈琲焙煎所」さんへ立ち寄った。

美味しいコーヒーとケーキを頂きながら窓からの風景を楽しんだ。曇り空でも最高の眺めだと思う。こんなに素敵な場所にお店が出来たと知った時から、いつか来てみたいとずっと思っていたのだ。

お店で選んで飲んだ珈琲があまりに美味しかったので、それと同じ珈琲豆を買い、そのあと北舟岡駅の近くから撮ったのが上の2枚目の貨物列車が写っている写真です。

珈琲豆のパッケージからは良い香りが伝わってきて、その香りとともにこの旅が続いていくのは幸せな時間だなと思った。

ちなみに上の三枚目の写真は伊達漁港交流広場という公園から撮影しました。先端の方まで行ってみたいなと思ったけれど、ここでも子育て中と思われるカラスに追いかけられたので断念。

洞爺湖から旅の折り返し

湖畔沿いの道や、街歩き。

洞爺湖町からは海沿いを離れて内陸側へ。ここから旅は折り返していく。

洞爺湖温泉の辺りから湖沿いに続く「洞爺虻田線」を使い、のんびりと湖の北側にある「洞爺町」を目指しました。

この道はとても狭く、車のすれ違いには譲り合いが必要なくらいなのだけれど、その分ゆっくり走る必要もあって、その雰囲気がちょうどよかった。

洞爺町に到着し、向こう側に見える中島とか湖畔の様子を撮影したりして、洞爺町内もぐるぐる歩いてみた。静かな街の中には洗練されたさまざまなお店や工房などがあって、こんな所で暮らしてみたいなと思ってしまうのはぼくだけでは無いだろう。

そしてそんな街の湖畔から少し上って行った場所にある「洞爺いこいの家」という温泉へ。

ここも前日の虎杖浜で立ち寄ったアヨロ温泉同様、備え付けのシャンプーなどはなく、ごくごくシンプルな温泉ではあるのですが、皆さん丁寧に利用されている感じがして、長くきれいに維持されている感じが心地よかった。

露天風呂こそ無いのだけれど、浴場は湖側が窓になっていて、眺めは抜群というのも最高だった。

その後、倶知安の「山本食堂」さんにて冷たいお蕎麦で早めの夕食を済ませ、小樽経由で札幌圏へと帰りました、これで胆振を西へ向かう2日間の旅はおわりです。

あとがき。

この2日間を通して天候はほぼ曇りか霧。洞爺町で湖畔を歩いていた時だけ雲の隙間から顔を出したりしていましたが、その程度でした。

それでも、この旅のきっかけが、6月の暑さから涼しさを求めていた点だったので、曇り模様も深い霧も心地よくてよかったのが正直なところです。

それに曇り空ならNDフィルターがなくてもカメラの絞り値を低めで撮影が出来き、ボケ感のある写真やオールドレンズならではの雰囲気が出しやすくて、それもちょうど良かった。

またまとまった休みが出来たら、またどこかへ行ってみたいものです。

今日も最後までおつきあいいただきありがとうございました。

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