北海道の冬は雪に覆われて全体的に白の風景になる。
そして天候が悪いとグレースケールのような世界になり、色彩はほぼなくなってしまう。
おかげで吹雪が止んだあとの澄んだ青空などは、乾いた喉を潤してくれる水みたいにありがたくて、嬉しい気持ちになる。
そんな冬の季節、実は夕暮れの空はとても綺麗な色を紡ぎ出しているのです。
これは水蒸気の量や大気中のチリなどの影響が少ないせいと言われているけれど、ぼくはこの一瞬の貴重さがゆえなのでは無いかと思っている。
どういうことか、今日はぼくの思っていることを書いていこうと思う。
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冬の夕方カラーパレット

SONY α6500 / MC ROKKOR-PG 50mm F1.4
ISO100 0ev 1/1250s
夜につれ気温は下がっていく
寒い冬の日々。
はじめに、ずいぶん当たり前のことを書くけれど、もちろん冬は寒い。
一日中氷点下の「真冬日」も当たり前にあるから、大抵は家の中で過ごすか、外出したとしても外にいる時間は夏場と比べるとずっとかなり少ない。
そんな訳であまり自然をゆっくり眺める機会も他の季節より少なくて、それは気温がどんどん下がっていく夕方なんかは尚更なのです。

SONY α6500 / MC ROKKOR-PG 50mm F1.4
ISO100 0ev 1/1250s
日没後はどんどん色が変わっていく。
その結果、冬の夕暮れがどれほど綺麗だったかについて、多くの人が知らないままなのではないかとぼくは思っているのです。
だからと言って、「積極的に冬の夕方に極寒の中で風景を眺めよう!」なんてことも言うつもりもない。
ただ、実はそういう綺麗な瞬間がありますよ。っていうだけ。
特にマジックアワーと言われる、日没後の数十分の時間帯では、夏よりも空の色の変化が激しいように思います。

SONY α6500 / MC ROKKOR-PG 50mm F1.4
ISO100 0ev 1/100s
夜の青が押し寄せてくる
そしてうかうかしていると、上空の夜の青色がどんどん西側に押し寄せていって、夕方の色は徐々に狭くなっていくのです。
夜と夕方を割合にすると9:1くらいだろうと思う。
辺りも足元も真っ暗だ。

SONY α6500 / MC ROKKOR-PG 50mm F1.4
ISO100 0ev 1/1250s
少し前の時間に撮った一枚
ついでに言うと、冬は被写体が圧倒的に少ない。
花も咲いていなければ草木も枯れている、そもそも雪でだいたいが覆われているのだ。
けれどもこうして人工物をフレームに入れるだけで、なんだか写真の雰囲気がよくなる。
今回は撮らなかったけれど、大きな橋とか遠くの風力発電の風車とか、バス停とか。フレームに入れたらどうかなってのを探して歩くのも楽しい。
この記事の一番の上の写真は、冬は通行止めになっている道のところで、車道は雪に覆われているけど、標識や電柱、そして遠くの夕方に色づいた山々が美しく見えていました。
また冬を集めて歩こうと思う。

SONY α6500 / MC ROKKOR-PG 50mm F1.4
ISO100 0ev 1/1250s
月の明るい夜へ。
なかなか外に出る機会がなく、そして雪や吹雪に覆われ、色彩が少ない冬。
そんな季節だからこそ、夕方の色が更に美しく見えるのではないかとぼくは思っています。
水蒸気や大気のチリ云々というのは知識として持っていて損はありません。
それ以上に自分が実際に見た風景がどれほど美しかったか、ちゃんと覚えておきたいなと思っています。
今年の冬はあまり撮影しながら歩くことが少なかったように思いますが、これからも時間があればどんどん撮って行きたい。
そしてこのブログに記録して行こうと思っています。