「街から見えるあのピークへ登れば、この街が良く見えるんじゃないかな」
ある冬の日にピークを目指した動機はほんとうに単純なものでした。
しかしここのピークを過ぎた向こうは山々が続いていて、
中央区と西区を分断する尾根歩きの時とは緊張感が少し違いました。
相棒は秀岳荘のトレッキングポール。
バスケットは雪用のものに交換しておきました。
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あのピークへ登ってみたい
なんども地形図を読んで、取り付く位置やトラバースするコースや沢を避けて回り込むコースやそこから見えるはずの人工物を頭の中に叩き込み、地形図はザックに挟んで出発しました。
これを書いている今はもう5月も中旬で、ずいぶん前の話になりますが。。
トレースと進むべきルート

油断する理由なんてほんの一握りもない
夏場ハイキングコースにもなるこの場所はピークの高さもうんと低いのですが、それでも冬山には変わりありません。ぼくがピークを目指す前にもう一度読み返した冬山の本にはとても厳しいことがたくさん書かれていました。
歩き始めるとトレースがあってとても歩き易いのですが、これらのトレースはスキー板のもの、動物の足跡のもの、それぞれ目的地はバラバラです。
ぼくはぼくのルートを辿る必要があるので、地形図とコンパスを見ながらトレースに頼らずに進みます。
ここが名もなきピーク

ぼくがピークの名前を知らないだけ
そうこうしているうちにその「ピーク」へ到着しました。
実際の所、”Where the peak has no name.” であるかは定かではないのですが、雪に覆われたピークではこの場所の名前を確認するものはないのです。
秀岳荘のポールとともに

この2本のポールも大切な登山道具
確か去年ニセコの山に行った帰りの駐車場で2本綺麗に並べて車に積み忘れて帰ってしまい、後日ビジターセンターの方に着払いで送ってもらったのはほろ苦い思い出です。
「忘れたのはどんなポールですか?」
「緑の秀岳荘のポールです」
「ああ、これですね。大切なものでしょう、送りますよ」
「ありがとうございます!」
ぼくはいつも人に助けてもらってばかり、そして本当にありがたいです。いまもこうして秀岳荘のポールと一緒に登れるのですから。
なかなかの良い眺め

眺めは思った以上に綺麗でした
低山というより丘の上から街を眺めているような感じです。でもここまで登らないと見られない景色なのは確かです。
葉の落ちきった枝の隙間から、あっちの街やこっちの街までぐるっと見えます、きっと葉のある季節ならほとんど眺望は望めないでしょう。
お疲れ様でした

バスに乗って帰ります
バスに乗るとぼくのメガネは一気に曇って何も見えなくなるのと引き換えに、暖房というこの上ない暖かさに包まれました。
メガネを外して「バスの座席はどうしてこうも心地よいのだろう」なんて考えているうちに、うとうとしてしまいます。
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